Linux コマンドを扱うときに出てくるディレクトリの考え方。しょっちゅう出てくる用語なので、まず最初に覚えていきましょう。
ここでは「カレントディレクトリ」、「ルートディレクトリ」、「ホームディレクトリ」の意味を解説していきます。
ディレクトリとは?
まずディレクトリの意味は、複数のファイルをグループにまとめて保存したものです。
普段パソコンを使っている方なら「フォルダ」に言い換えるとわかりやすいかもしれません。
複数の書類をまとめるための入れ物と考えるとイメージしやすいと思います。
そしてこのディレクトリの中にさらにディレクトリを作ることができ、階層化してファイルを分類することができます。
Windows や Mac のパソコンでも、例えば「フォルダA」の中に「フォルダB」と「フォルダC」を作ったり、さらに「フォルダC」の中にファイル1とファイル2を作ったりすることができるようになっていますよね。これと同じです。
Linux 上ではこれをフォルダではなく「ディレクトリ」と呼ぶことが多いです。
そしてこのディレクトリの中でも「カレントディレクトリ」、「ルートディレクトリ」、「ホームディレクトリ」と呼ばれるディレクトリがあります。
次からこの3つの用語の意味を覚えていきましょう。
カレントディレクトリとは?
カレントディレクトリの意味は、現在 作業しているディレクトリ(フォルダ)のこと。言い換えるなら、自分が今いる場所のことです。
例えばふだんのパソコンの操作を考えてみると、フォルダをダブルクリックしてフォルダの中にあるファイルやフォルダを確認しますよね。
フォルダAをダブルクリックしてそのフォルダを開いているとしましょう。
その状態でのカレントディレクトリは、フォルダAとなるわけです。
ふだんのパソコンの操作では意識することはないですが、Linux の操作ではコマンドを使って階層化されたフォルダを行き来して作業するシーンがたくさんあります。
そのときにこのカレントディレクトリを意識する必要があるので、覚えておきましょう。
ルートディレクトリとは?
ルートディレクトリの意味は、階層の一番上にあるディレクトリ(フォルダ)のこと。
さきほどディレクトリは階層化してファイルを分類することができるという話をしていました。
この一番上の大元になるディレクトリです。このディレクトリの上の階層はありません。
ホームディレクトリとは?
ホームディレクトリの意味は、ユーザがログインした際、最初に移動するディレクトリ(フォルダ)のことです。
Windows や Mac のパソコンでもユーザーを作成して複数人でパソコンを共有して使う機能があります。
Linux でも同じようにアカウントを作成して、ユーザーごとにログインできるようになっています。
では、Linux でこの機能を使ってアカウント作成を行い、ユーザーAとユーザーBを作成したとしましょう。
そうすると「home」というディレクトリ(フォルダ)の中に、「ユーザーA」と「ユーザーB」の各ユーザーごとの専用フォルダが作られます。
ユーザーAでログインした場合は、「ユーザーA」という名前のディレクトリ(フォルダ)があらかじめ割り当てられており、そこに移動した状態になっています。
また、ユーザーBでログインした場合も同様に、「ユーザーB」という名前のディレクトリ(フォルダ)に移動した状態になっています。
このログイン時に最初に移動しているディレクトリ(フォルダ)がホームディレクトリです。
まとめ
以上、カレントディレクトリ、ルートディレクトリ、ホームディレクトリの意味でした!
ここまでの内容をまとめておきます。
- ディレクトリは、複数のファイルをグループにまとめて保存したもの。
- カレントディレクトリは、現在 作業しているディレクトリ(フォルダ)のこと。
- ルートディレクトリは、階層の一番上にあるディレクトリ(フォルダ)のこと。
- ホームディレクトリは、ユーザがログインした際、最初に移動するディレクトリ(フォルダ)のこと。